糖尿病の注射剤として用いられるインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬は、タンパク質由来のバイオ医薬品であるため、熱による変性が起こりやすいです。そのため保管するときは、冷蔵保存、室温保存を使い分け、温度や遮光などに十分に注意する必要があります。
インスリン製剤やGLP-1受容体作動薬はホルモンを補充
インスリン製剤は、本来膵臓で放出される血糖降下ホルモンのインスリンを主に皮下注射によって補充するものです。
一方で、GLP-1受容体作動薬は、小腸で分泌されるホルモンのGLP-1(ジーエルピーワン)の受容体に結合する物質を体の外から補います。GLP-1は、膵臓のGLP-1受容体に結合し、インスリン分泌を促進して血糖値を下げます。

使用前は冷蔵保存!
糖尿病薬に現在用いられている注射剤は、使用前は冷蔵庫などで保管しないといけません。2℃から8℃で保管とよく言われています。
使用前は冷蔵保存する理由は、
- インスリンは熱に弱く、37度以上の高温では効果が落ちてしまうから。 熱に弱い理由は、インスリンはタンパク質であるので、高温で変性してしまうからです。
使用後は室温で保存
インスリン製剤は、使用前は冷蔵庫で保存なのに対し、使用後は室温で保存です。開封した方が変性しやすそうなのになんでって思いませんか??
開封後は室温で保存する理由は、
- 冷たいインスリンを注射すると注射部位に強い痛みがでることがある
- 冷蔵庫と常温の出し入れが頻繁だと注射器の注入部分などに結露が生じて故障につながる可能性がある
室温は1〜30℃です。そのため、室温であれば使用する期間は効果への影響は少ないようです。しかし、もし外に持ち歩く場合は、特に夏は気をつけて持ち歩く必要がありますね。
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