粉砕できないプロトンポンプ阻害薬とは
薬品名(商品名) | 粉砕可否 |
オメプラゾール (オメプラール®、オメプラゾン®) | 原則✖ |
ランソプラゾール (タケプロン®) | 原則✖ |
ラベプラゾール (パリエット®) | 原則✖ |
エソメプラゾール (ネキシウム®) | 脱カプセル可能 |
ボノプラザン (タケキャブ®) | 〇 |
粉砕できない理由は構造にあった!
PPIとボノプラザンは、大きな意味でとらえるとボノプラザンもPPIに含まれますがボノプラザンは粉砕することができます。その違いは、分子構造にあります。
PPIは、酸分泌細胞の酸性領域で活性化体(スルフェンアミド体)となるプロドラッグです。プロトンポンプ(H+, K+-ATPase)のSH基を修飾して酵素活性を阻害し、酸分泌を抑制します。ここで問題になるのが活性体となった薬物はすぐに壊れてしまうため、活性体である間にプロトンポンプに結合する必要があるということです。しかし、プロトンポンプは胃の粘膜の壁細胞にしか存在していません。到達するまでに酸によって活性化されないようにするために腸溶性のコーティングがされていて、粉砕ができないのです。

ボノプラザンは、元からスルフェンアミド体であるため酸の影響を受けにくく、粉砕できると言われています。
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