ポリファーマシーとは?高齢者が多く抱える問題とその対策

多くの高齢者は、持病をもち、医療機関に通っています。複数の疾患を持つことも多く、いろんな種類の薬を飲みますよね。数の多さに驚いたことはありませんか?
ここで問題となるのが、「ポリファーマシー」。本稿では、高齢者との関係性とポリファーマシーの対策について、考えていこうと思います。

ポリファーマシーとは?

ポリファーマシー【poly(複数)+pharmacy(調剤)】とは、単に多くの薬を飲んでいるということではありません。多くの薬を併用し、飲み合わせの副作用などで体に悪影響を及ぼすことを言います。

これは、慢性疾患を多く抱える高齢者に特に注意が必要です。ポリファーマシーの症状としてふらつきや食欲不振がありますが、この症状は高齢者にありがちな症状のため、原因が見落とされたり、ふらつきにより転倒して寝たきり状態になったりなど重要な課題です。

よって、ポリファーマシーを解決することが今後の高齢化社会にも重要となってきます。

多剤併用(多くの薬をのむこと)とその要因

多剤併用における薬の数に具体的な基準は決まっていませんが、日本老年医学会によると、高齢者の処方薬が6種類以上が妥当だと言われています。75歳以上の4割が1か月あたり5種類以上の薬を処方されていることを考えると、多剤併用は意外と多いです。(平成 28 年社会医療診療行為別統計)

高齢入院患者の薬剤数と薬物有害事象との関係を調査した報告によると、6種類以上で薬物有害事象の頻度は特に増加していた(図1)。この結果と高齢者の処方実態から考えると、6種類以上を多剤併用と考えるのが妥当であろう。

薬物治療の手引き_0822.indd (jpn-geriat-soc.or.jp) p3
薬物有害事象の高齢者の三割が六種類以上薬を併用している
図1

多剤併用の主な要因は、患者側の問題医師側の問題社会的な背景などさまざまです。ポリファーマシーの要因に立ち返ってみることで、解決策を考えます。

複数の医療機関で受診し、結果多剤併用となる
患者側の問題
  • 複数の医療機関を受診することで薬が積み重なる
  • 副作用を抑えるために新たな薬をもらい、連鎖的に増える(処方カスケード)
医師側の問題
  • 医師が前の医師の処方や他院の処方に踏み込みづらい
社会的な背景
  • 高齢化が進み、年齢を重ねるにつれさまざまな疾患を併発する

ポリファーマシーを改善するには

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